Incident Response

セキュリティインシデント対応体制および対応フロー

第1章 セキュリティアップデートの優先度判定基準

1. 脆弱性の深刻度(Severity)判定基準

  • 脆弱性の基本評価には、CVSS(共通脆弱性評価システム)v3.1を使用します。
  • 緊急(Critical):CVSS 9.0~10.0
    例:リモートコード実行、認証なしでのroot権限取得、複数の機器に影響するワーム型の拡散など。
  • 高(High):CVSS 7.0~8.9
    例:権限回避、機密情報の漏えい、機器のオフライン化・制御不能など。
  • 中(Medium):CVSS 4.0~6.9
    例:物理的な接触を必要とする情報漏えい、自動復旧が可能なサービス拒否など。
  • 低(Low):CVSS 0.1~3.9
    例:主要なセキュリティ機能に影響を及ぼさない設定上の不備など。

2. 脆弱性の種類による判定

  • ファームウェア関連(MCU/ARMベースシステム)原則として優先度を1段階引き上げます。ファームウェアの書き換えによる修正は、対応コストが高いためです。
  • ソフトウェア関連(BMSクラウドプラットフォーム/アプリケーション/API)原則としてCVSSの評価に基づき優先度を決定します。ただし、決済情報またはユーザーデータに関係する脆弱性については、原則として「高」以上に引き上げます。
  • ハードウェア関連(物理インターフェースの露出、基板・筐体・コネクタ等)ハードウェア脆弱性は、OTA等のソフトウェア更新では根本的な修復が困難であるため、原則としてハードウェアの交換または問題箇所の再設計・構造変更により修復します。
  1. 1
    交換可能なモジュール・部品の場合改良版ハードウェアに交換する(現地交換、修理対応、RMA等)。
  2. 2
    構造・設計に起因する場合基板配置、コネクタ、筐体、物理インターフェースの露出等を再設計し、改良品に反映する。不要な物理インターフェースは廃止、遮蔽、固定、無効化する。
  3. 3
    現行製品で交換・再設計が直ちに困難な場合物理的保護、施錠、カバー、封印、ポート無効化、設置・運用上の注意事項を回避策として実施し、次期ハードウェア設計に反映する。
  4. 4
    優先度ハードウェア関連は交換・再設計のコストと影響範囲を考慮し、原則として優先度を1段階引き上げる。公開PoCがある場合、悪用が容易な場合、量産・出荷済み製品に影響する場合は最優先とする。

3. その他の補助評価項目

  • 悪用の容易性:攻撃の複雑度が低く、悪用が容易な脆弱性を優先します。
  • 影響を受ける製品・台数:量産・出荷済み製品を、試作段階の製品より優先します。
  • 公開済みPoC(概念実証コード)の有無:PoCが一般公開されている場合は、最優先レベルとして対応します。

第2章 組織体制および対応フロー

1. 組織体制(PSIRT)

当社は、製品セキュリティインシデント対応チーム(PSIRT)を設置し、以下の体制で対応します。

責任者
開発責任者
(セキュリティ責任者を兼務)
主要メンバー
組込み
ファームウェア
エンジニア
クラウド
プラットフォームの
バックエンドエンジニア
テスト・検証
担当者
カスタマー
サービス担当者
(報告者との連絡窓口)
連絡
報告者(外部)
支援メンバー
法務担当者
免責事項等の確認
品質管理担当者
変更履歴・対応記録の管理
指揮・報告ライン支援(専門領域の確認・記録管理)

2. 脆弱性対応フロー

  1. STEP1
    脆弱性情報の受付脆弱性情報は、info@iwith-smart.comまたはBMSプラットフォームの「外部報告窓口」を通じて受け付けます。
  2. STEP2
    初期評価・トリアージPSIRT担当者が24時間以内に初期分類を行い、第1項の基準に基づいて優先度を判定します。
  3. STEP3
    技術調査ファームウェアおよびソフトウェアの担当エンジニアが、それぞれ担当するコンポーネントについて、5営業日以内を目安に原因分析および再現検証を実施します。
  4. STEP4
    対策の策定脆弱性が確認された場合、ホットフィックス、OTAアップデート、設定変更等の修正方法を検討し、製品機能への影響を評価します。
  5. STEP5
    修正プログラムの提供・公開BMSのOTAアップデートシステムを通じて修正プログラムを提供します。
    「緊急(Critical)」および「高(High)」は15日以内、「中(Medium)」は30日以内を目安に正式な修正プログラムを提供します。「低(Low)」については、原則として四半期ごとのアップデートに統合して対応します。

第3章 関係者間の連携・対応体制

当社製品は、自社BMSクラウドプラットフォーム、第三者の通信モジュールメーカー、OEM・ODMメーカー等、複数の関係者によって構成されるため、以下の連絡体制を定めます。

関係者対応範囲連絡窓口(担当部署)連絡先
(予備窓口を含む)
当社PSIRT
(統括責任者)
全体調整、最終判断、社外への情報公開研究開発センター セキュリティグループメール:iwithrobotics@qun.mail.163.com
BMSクラウドプラットフォーム開発担当APIの脆弱性、データベースセキュリティ、ユーザー認証情報セキュリティ安全管理部門社内IMグループ + 専用メール:info@iwith-smart.com
通信モジュールサプライヤー
(例:Quectel、Fibocom)
セルラー / Wi-Fi通信モジュールのファームウェア脆弱性サプライヤー品質管理部門 (SQE)購買部門の担当者を通じて連絡。予備窓口:サプライヤー公式セキュリティ窓口
ODM / 委託製造先ハードウェア製造工程におけるJTAG / シリアルポート等の露出に関する問題ハードウェア開発部現地駐在エンジニアによる連絡 + 正式なメール通知

第4章 機器の工場出荷時設定へのリセットについて

1. 実施方法およびネットワーク接続要件

ユーザーは、機器本体の操作パネル(または物理リセットボタン)から、工場出荷時設定へのリセットを実行できます。
リセットを実行する際は、機器がネットワークに接続されている必要があります。

ネットワーク接続を必要とする目的は、以下のとおりです。

  • 操作者の認証情報を確認し、不正な物理アクセスによるリセットを防止するため
  • クラウド側のデータ消去処理を実行し、本体およびクラウド上のデータを確実に削除するため

2. データ消去の範囲(初期状態への復元)

工場出荷時設定へのリセットが完了すると、以下のデータは完全に削除され、復元できなくなります。
機器は、初回起動時と同じ初期状態に戻ります。

  • 清掃タスク:機器に保存されているスケジュール清掃、定期清掃、連携清掃等のすべてのタスク設定
  • マップデータ:作成済みの清掃エリアのマップ、仮想壁、進入禁止エリア等の空間情報
  • 清掃レポート:過去の清掃履歴、エラーログ、稼働時間、清掃面積等の本体保存データ
  • クラウド上のデータ:機器に紐付けられたクラウドプラットフォームのアカウント情報、リモート設定情報、クラウド上に保存されたレポート等
  • ユーザー設定:ネットワーク設定、言語設定、音声設定等の各種ユーザー設定

3. 操作上の注意事項

工場出荷時設定へのリセットを実行する前に、必要なデータがすべてBMSクラウド管理プラットフォームからバックアップされていることを必ず確認してください。

リセットを実行すると、本体およびクラウド上のデータが連動して削除されます。削除後は、当社サーバー上にも当該データのバックアップや残存データは保持されません。

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