インタビュー
お客様へインタビューを実施しました。
概要
業種
総合ビルメンテナンス
導入商品
J35
お話を伺った方
営業開発部 管理開発課 課長代行
藤倉 真二 様
課題
❶ 労働者不足とスタッフの高齢化
❷ 労働災害が発生するリスクの高まり
❸ 最低賃金の上昇による負担増
効果
❶ 清掃品質が格段に向上し、日常清掃フローに洗浄作業を組み込めるように
❷ スタッフの負担が軽減され、人間とロボットが効率的に協働できる体制が整備
❸ 遠隔管理システムにより清掃業務が効率化され、作業の「見える化」も可能に
インタビュ一内容
1.
貴社の業種・業態と、清掃現場の規模・清掃エリアを教えてください。
弊社の中核事業は清掃業です。
主に官公庁関連の施設を、入札を通じて受注しています。
その他、大阪メトロの駅や病院施設なども清掃対象です。
現場の規模としては、イベント会場のような大規模なものではなく、中規模の建物がほとんどです。
清掃エリアは、病院を除き、玄関ホール、廊下、トイレ、外構といった、不特定多数の方々が利用する共用部分が中心となります。
2.
ロボット導入前に抱えていた主な課題を教えてください。
この業界全体が抱える共通の課題ですが、 特に「労働者不足」と「スタッフの高齢化」が深刻 でした。
求人募集をかけても思うように人材が集まらないため、定年を迎えたスタッフに継続して勤務してもらうケースが多く、現場の高齢化が進行していました。
それに伴い、「労働災害」が発生するリスクも高まっている状況でした。
さらに、毎年改定される「最低賃金の上昇」も、経営を圧迫する悩ましい課題となっています。
3.
清掃ロボット導入を検討し始めたきっかけや背景は何でしたか?
前述した労働者不足や高齢化といった課題は、今後も改善する見込みが立たないと感じていました。
このままでは事業の継続が困難になるという危機感から、省人化と業務効率化を実現するための具体的な手段として、清掃ロボットの導入を本格的に検討し始めました。
また、大阪ビルメンテナンス協会でも清掃ロボットに関する説明会や講習会が頻繁に開催されるようになり、業界全体としてロボット活用の機運が高まっていたことも背景にあります。
4.
導入前に感じていた不安や懸念点は何でしたか? また、それらはどのように解消されましたか?
導入前には、経営層と現場スタッフの双方に、それぞれ異なる不安や懸念点がありました。
【経営層の懸念点】
数年前に他社製の清掃ロボットのデモンストレーションを体験した際の経験が、大きな懸念材料でした。
そのロボットは、
①ルート設定が非常に煩雑で専門知識が必要なこと
②清掃中に人や物といった少しの障害物があっただけで、その場で清掃を停止してしまう
など、実用面での課題が多く「これでは現場で使えない」という印象でした。
そのため、今回も「導入しても結局は人の手がかかり、期待した成果が得られないのではないか」という不安がありました。
【現場スタッフの懸念点】
現場スタッフからは、特に安全性と運用負荷に対する抵抗感がありました。
具体的には、
「ロボットが利用者と衝突する事故を起こすのではないか」
「それを防ぐために、結局ロボットのそばについて常に見張っていなければならないのではないか」
といった声が上がっていました。
また、高価な機材を扱うことへの心理的な負担や、操作の難しさに対する不安もありました。
【懸念の解消】
これらの不安は、実際のロボットの性能と操作性を確認することで解消されました。
まず、タッチパネルによる直感的な操作性は、高齢のスタッフでも簡単に扱えるほどシンプルであり、操作ミスの心配が少ないことがわかりました。
そして何より、障害物を検知して安全に回避しながら清掃を継続する賢い自律走行性能が、すべての懸念を払拭する決め手となりました。
実際にデモンストレーションで、ロボットが人や障害物をスムーズに避けていく様子を見て、「これなら常時監視する必要もな く 、安全に運用できる」と経営層も現場スタッフも納得することができました。
5.
アイウイズロボティクスの業務用清掃ロボット(J35)を採用された決め手は何でしたか?
決め手は主に以下の3点です。
• マッピングとルート設定の簡便性
以前検討した他社製品のルート設定が非常に煩雑だったのに対し、このロボットは手動で動かすだけで清掃範囲のマップが自動で作成され、その後の清掃計画も容易に行える点が大きな魅力でした。
• 優れた清掃性能
高い吸引力により、洗浄後の床面に水がほとんど残らない性能に驚きました。これにより、これまで定期清掃など特別な機会にしか行えなかった床の洗浄作業を、日常清掃のフローに組み込むことが可能になりました。
• 現場の規模に合ったサイズと重量
当社が扱う中規模の施設に適したサイズ感でした。他の中型ロボットが80kg以上ある中で、本機は約40kgと軽量で、スタッフが取り回しやすい点も高く評価しました。
6.
業種特有のニーズに、最も応えた機能は何でしたか?
複数の物件を広域で管理する弊社の業態にとって、 「遠隔管理システム」が最もニーズに応えてくれました。
各現場に配置した多数のロボットの稼働状況や清掃結果を、本社にいながら一元的に把握・管理できる機能は、業務の効率化に不可欠です。
7.
日々の清掃フローを最適化するうえで、ロボットをどう活用されていますか?
「人とロボットの協働」を基本としています。
広い面積の床清掃はロボットに任せ、その間に清掃スタッフはロボットが入れない隅や角など、人の手でしかできない箇所の清掃に集中するという、効率的な役割分担を実現しています。
8.
遠隔管理システム(BMS など)で「ここが楽になった」と感じるポイントを具体的に教えてください。
清掃作業の「見える化」が実現できた点です。
システム上のマップで、ロボットが清掃を完了したエリアが色分けされて表示されるため、作業の進捗や清掃漏れの有無が一目でわかります。
これにより、作業報告の精度が向上し、管理者が各現場を巡回して確認する手間が省け、管理業務が非常に楽になりました。
9.
ロボット導入後、清掃品質にどのような変化を感じていますか?
床清掃の品質は格段に向上し、非常に満足しています。
J35は非常に吸引力が強く、洗浄後の床面に水がほとんど残りません。
従来、床の洗浄作業は水残りをさせないよう複数人(2~3人)で行う必要があり、「定期清掃」などの特別なタイミングでしか実施できませんでした。
しかし、このロボットの性能により、1台で安全に高品質な洗浄作業が完結するため、これまで難しかった「日常清掃のフローに洗浄作業を組み込む」ことが可能になりました。
これにより、日常的に高いレベルでの床面の衛生状態と美観を維持できるようになりました。
また、遠隔管理システムを通じて、作業の成果が「見える化」されたことにより、担当者によるムラや清掃漏れがなくなり、常に均一で質の高い清掃が保証されるようになりました。
10.
スタッフの負担や清掃業務全般の効率にはど
スタッフの負担は減っていると実感しています。
ロボットが床清掃の大部分を担ってくれるため、スタッフはロボットが入れない箇所の清掃など、他の作業に注力できるようになりました。
このように、人とロボットの役割分担を明確にすることで、効率的な協働体制を築いています。
11.
ロボットのメンテナンスやアフターサポートで「ここが助かった」「便利だった」と感じるポイントがあれば教えてください。
導入直後は、ロボットに対する様々な技術的な疑問や、細かい操作に関する質問が出てくるものです。
そのような際に、 メーカー側のエンジニアと直接連絡を取り合うことができ、すぐにサポートを受けられた点が非常に助かりました。
即時に対応してもらえるため、安心してロボットを運用することができています。
12.
ロボットを実際に操作・管理しているスタッフや、現場でロボットに接する利用者の反応で、印象に残っているエピソードはありますか?
導入現場のとある駅で初期設定をしていた際、利用客の方から「これは清掃ロボットですか。最新の駅にはやっぱりロボットが入るんですね」と感心した様子で話しかけられ、頷きながら見ていかれたことが印象に残っています。
13.
スタッフの負担や清掃業務全般の効率にはど
清掃業界において、ロボットの導入はもはや避けては通れない必然的な流れだと考えています。
その上で、これから導入を検討されている企業様には、いくつかお伝えしたいことがあります。
まず、新規物件を獲得した際は、最初から「ロボット活用を前提とした清掃計画」を立てるべきです。
そうすることで、導入がよりスムーズで効果的になります。
そして、既存の物件についても同様です。 
経営に余力があるのであれば、積極的に導入を検討することをお勧めします。
「いざ本当に人手が足りなくなってから」では、導入の経験やノウハウがないため、スムーズな運用は困難です。
今のうちから試験的にでも導入し、経験を積んでおくことが将来のリスクヘッジに繋がると考えます。
導入を成功させるためには、ロボットの性能を正しく理解するために業界団体が主催する説明会に参加したり、メーカーのデモンストレーションやトライアルを積極的に活用したりすることが重要です。
そして何より、 現場との連携が不可欠です。
経営層によるトップダウンだけで進めるのではなく、実際にロボットを運用する現場スタッフの理解と協力を引き出すための丁寧なフォローアップがなければ、せっかくのロボットも十分に機能しません。